森などに棲む小型の爬虫類。尻尾からさまざまな薬を作ることができるためこの名前がついた。切り取った尻尾はしばらく経つとまた生えてくる。
毒を持つ小さなトカゲ。手を出すと噛みついてくることがあり、痛みはないが二本の小さな歯から毒を注入してくる。その毒を注入された者は、めまい、吐き気をもよおし、前後不覚に陥る。外見がヤクゼントカゲに類似していることから、しっぽを取ろうとして被害に合うことが多い。
大きなものでは5メートルを超えることもある巨大なカブトムシ。森などに巣を作り、数年間同じ場所で生きる。その体は硬い殻で覆われている。眼は暗闇でほのかに光っており、完全な闇でも体温を感知して生物を見つけられる。
犬のような顔を持つ人型生物。集団で洞窟などに住み着く。簡単な衣類と武器を身につけており、住み家に侵入するものを襲うことがある。知能は低く、基本的に憶病だが残忍な性格。
洞窟に住み着く灰色の熊。普段はキノコやコケを食べるおとなしい熊だが、近づきすぎると警戒して襲い掛かってくる。広い洞窟を見つけて数匹同じ場所に住むこともある。
子犬ほどの大きさを持つ夜行性の昆虫。眼の付近に発光線があり、特に興奮状態の時に赤く光る。鉱山夫たちにはこの明かりは重宝され、取り外した後も数日間は光源として利用できる。縄張りを持ち、数匹が同じ場所で生活をする。飛行スピードに乗った体当たり攻撃は強力で、縄張りを荒らす者には容赦ない攻撃を浴びせる。
猛毒を持つ巨大な爬虫類。バジリスクの吐く息は生物の細胞を硬質化させ、筋肉、神経、頭髪に至るまで石のように変化させてしまう毒素を含んでいる。通常の爬虫類と異なる足の数や異常ともいえる石化の毒素から、呪いによって生み出された生物ではないかと言われている。千年も昔にとある地方の洞くつで個体が発見されたことがあり、二人の旅人によって退治されたという記録が残っている。
ネコ科の哺乳類。毛色は黄色で、全身に黒斑がある。全身が黒色の個体もおり、このような個体はクロヒョウと呼ばれる。森の中に住み、木登りが得意。仕留めた獲物を木に登ってから食べることもある。
ワニの一種。肉食性で、稀に家畜や人を襲うこともある。その巨大な口で噛み付く力は、ドラゴンに匹敵するほど強力である。ワニ革を利用して衣類や帽子などを作ることができる。
グリフォンはライオンの体に鷲の翼と上半身を持つ生き物であるが、その中でも金の羽根を持つ個体は千年以上も前に一頭確認されただけであり、伝承やおとぎ話の類であるとされている。グリフォンは気性が荒く、あらゆる種類の獣をとって食うが、とりわけ馬の肉を好む。
羽根の退化した飛べない鳥。夜行性で視力は弱い。顔の前方に生える細長いひげをセンサーのように使って餌を探す。普段はおとなしいが、怒らせると凶暴で、オス同士の縄張り争いも激しい。
天敵のいない場所で進化の歴史をたどったため、飛ぶことも走ることもできなくなったハトの仲間。捕獲が容易で、羽毛や肉など質のいいものが取れるため、格好の獲物となってしまう。現在は乱獲により一部の地方にしか存在が確認されない。
鳥に似た生物。雄鶏の頭にトカゲのようなしっぽを持つ。伝説では雄鶏の卵から生まれると言われているが、鳥の楽園と呼ばれる諸島で確認されている種は、その数からして明らかに繁殖能力を持っていると思われる。また、この地方の種は鮮やかな羽根の色を持ち、一般的なコカトリスと異なる点が多い。コカトリス全般はとても気が荒く、近づく者には激しい攻撃を行う。恐ろしいのはその両目であり、コカトリスは生物の肉を石に変える特殊な光線を発することができる。
あらゆる地方に広く分布する大型の蝶の仲間。ストローのような細長い口を使って、花の蜜や海水を吸う。鳥の楽園と呼ばれる諸島に生息する種の幼虫は、毒性物質を含む植物を食草とし、体内に毒をため込むことで鳥などの天敵から捕食されないよう身を守っている。
鮮やかな色の羽根を持つ南国の鳥。鳥類には非常に珍しく、毒を持っている。ピトフーイの皮膚や羽根には、非常に強力な神経毒が分泌されており、これにより天敵から身を守っていると考えられる。くちばしは意外に鋭く、自分よりも大きな蛇やトカゲを捕獲することもある。とらえた獲物を木に突き刺す習性が稀に確認されるが、何のためかは解明されていない。
一匹しか存在が確認されておらず、通常のゾウガメが何らかの理由で巨体になったものと思われる。ゾウガメの成長のペースから考えると、千年近くの寿命を持つ計算になるが、詳細は不明である。非常に優しい性格で、敵対する者に対しても決して襲い掛かってくることはない。あまり水に潜ることが無いのか、タンポポやエノコログサなどの陸上の植物が背中にびっしりと繁殖している。
首長竜の一種。象を思わせる巨体に、四つのひれを持ち、特徴的な長い首がそびえたつ。普段は水中を飛ぶように泳ぎ、イカや魚を捕食する。体温が下がってくると、日光に当たるために上陸し、浜辺で眠っていることもある。基本的にはおとなしいが、知能は低く、近づく者に驚いて大暴れすることもしばしば。
渦巻き状の角を持つ大型の羊。跳躍力があり、切り立った崖でも登っていくことができる。群れで生活し、弱い雌や子どもを強力な角を持った雄たちが守っているため、肉食の動物でもなかなか手を出すことができない。体毛は衣類の材料として利用できるが、質はそれほど良くない。気性が荒いため、家畜として飼うことには不向き。
尾に毒針を持つ節足動物の仲間。腹部から反り返るようについている尾からは、神経性の麻痺毒が分泌され、刺されると人間でも筋肉がこわばって身動きができなくなる。動きのとれなくなった獲物に対して鋏を使い、肉を切り取って捕食する。人間や大型の獣を捕食することはないが、動く者に対して攻撃をしてくる習性があるため、注意が必要である。
通常のアリとは比べ物にならない巨大サイズのアリ。腹部の先に針を持ち、そこから蟻酸を分泌することもできる。鋭敏嗅覚により、蟻酸を追跡する能力があり、一度標的になった獲物は延々と追跡される羽目になる。また、あごの力は強力で、鉄でできた兜ですらひしゃげてしまうほどである。ほとんどのジャイアントアントは女王を守るための兵隊アリで、死を恐れずに攻撃を仕掛けてくる。
大型の肉食性の恐竜。強靭な脚で二足歩行を行うことができ、意外にも軽量化された骨格のため、 短時間ではあるがかなりのスピードで走ることが可能である。ワニのような強力なあごを持ち、大型の動物相手でも骨ごと噛み砕いてしまう。
ジンに関しては謎が多いが、非常に高い魔力を持つ精霊のような存在と考えられる。個体によって得意な魔法が異なるようで、特に火の魔法を好むものはイフリートと呼ばれる。契約は必ず守ることが知られており、うまくすればしもべのように扱うことができるが、契約の穴をつかれると非常に危険である。女王の砂漠では、古いランプに封じ込まれたジンが確認されるが、その経緯などは不明である。
時に、ウィル・オー・ザ・ウィスプやジャックランタンと呼ばれる、炎の形をした浮遊体。生命であるのか、霊であるのか、正体は分かっていない。何かを燃やすときに、その対象を捕食しているという説もあり、油を使って手なずけたという例も報告されている。色はさまざまで、赤、青、黄などの個体が存在する。
悪夢を呼ぶという伝説を持つ、黒い馬。いくつかの亜種が存在するが、燃えるたてがみを持つものが多い。性格は凶暴で、手なずけるのも乗りこなすのも不可能に近い。どうしてもそれに挑戦したければ、生まれたてのナイトメアを、目が開く前に親から引き離し、丁重に育てることが必要。それでも、十頭に一頭程度しか人間になつくことは無いと言われている。
額に深紅の宝石を持つ謎の多い生き物。その宝石の価値から、乱獲の対象となり、近年その目撃数は激減している。額に赤い宝石を持つ動物が他にも発見されているが、これらを総称してカーバンクルと呼ぶこともあり、種の名前としてのカーバンクルは、魔道火山などに住む黒いオオカミ型の獣を指す。
寒冷地に適応した体を持つクマの仲間。他の種類のクマと比べると、頭部が小さく、長い首と真っ白な体毛を持つ。寒さに強くなるために、耳や尾等は小さいが、体は大きく保温性に優れている。非常に好奇心が強く、初めて見るものに興味を示すため、人間にも寄ってくることがある。しかしながら、その巨体と鋭い爪や歯でもてあそばれた者は、ただでは済まないだろう。
別種の狼と比べて、ずば抜けて大きな体を持つ狼。その大きさは、馬と比べても劣ることは無い。真っ白な体毛で覆われており、雪原地帯で身を隠すのに向いている。テリトリーを持たずに、常に移動しながら暮らしているが、これは大きな体を保つためのエサとなる動物がいなくなる事を防ぐための性質だと考えられている。ひとたび獲物を見つけるとどこまでも追っていき、相手を仕留めるまで追跡をやめない。
額の中央に、らせん状の角を持つ動物。この角は、病気や呪いを解く力を持っているとされ、角を求めてユニコーンを捕らえようとする者も多いが、たいがいの者は、その角に刺されて命を落とすこととなる。その姿は馬のようでもあるが、ヤギのように顎鬚を持ち、蹄も割れている。非常に警戒心が強く、なつかせることは不可能とされているが、純潔な心を持つ女性にのみ、心を許すという説がある。
非常に大型の蜘蛛。普段は巨大な巣を作り、鳥やウサギなどの獲物が来るのを待つが、獲物が少ない場合は口から直接糸を吐き出して、獲物をからめ取ることがある。雌雄の違いで大きさがまったく異なる。雄は小型でほとんど巣から出ることが無く、歩きまわって狩りをしているのは大型の雌である。
馬のような体に魚に似た尾をもつ幻獣。たてがみは藻のように枝分かれしている。主に川の中に住み、地上に上がることもよくある。非常に警戒心が強く、敵とみなした相手を、魔法で作り出した波で溺れさせることもある。また、疲れた人を見かけて背中に乗せることがあるが、乗ってしまうや河めがけて疾走し、乗り手を水の中に放り出す不可思議な習性がある。
生息域を広げる為に歩行能力を手に入れた菌類の一種。少量だが、毒を含んだ胞子をまき散らす。目のように見える器官があるが、実際はヘビ等のピット器官と同じもので、赤外線を感知することができるが、目は無い。一般のキノコに見られるように、動植物の遺骸から栄養を吸収する。栄養の少ない地域では、積極的に動物を襲う姿が目撃されている。
歩行能力のある菌類の一種で、ファンガスよりやや大型。ファンガスと共存していることが多いが、別種であることが分かっている。毒性の強い胞子をまき散らし、その毒で死んだ動物の遺骸から新しい菌糸が育つ。
76個もの骨を持つきわめて長い首が特徴の首長竜。泳ぐ際は、水の抵抗を弱める為に首を前方へ伸ばして泳ぎ、魚類やイカを捕食する。基本的にあまり上陸することは無いが、産卵のために稀に上陸することがある。産卵の時期は非常に警戒心が強くなるので注意が必要。
巨大なヤモリのような姿に髪とひげをもつ精霊。いつもは沼の底で眠っているが、稀に沼から這い出して草と水で腹を満たす。食事の後は、腹の中のものを一気に空へ吹きあげて雨雲を作り、雨を降らせる。好んで食べる植物として、アメノヒカズラ(別名:あまつゆのハーブ)が知られている。
額に一本の角を生やす鹿のような動物。非常に神聖な動物とされている。燃えるように流れる美しい体毛を持つ一方で、硬い鱗もあり、動物的な分類には様々な説がある。ひとたび暴れ出すと、非常に凶暴で警戒心も強いため、麒麟が飼われていたという事例はほとんど聞かれない。しかしながら、麒麟は、覇王となる資質を持つ男性を見分けることができると言われ、その者には従順に従うという。
光の塊のようなものでできている生き物。ネコ科の動物のような姿をしており、足音を立てることもなく、無音で移動する。普段は体が発光しているが、移動中に自らの発光を止めることができる。その場合は、可視できない状態となり、一瞬消えてしまったかのように感じられる。敵を威嚇するために、強い光を発することがあるが、この光は目をくらませるだけでなく、直視してしまうと失明の危険もあるため注意が必要。